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『青の時代』(あおのじだい)は、三島由紀夫の5作目の長編小説。光クラブ事件を題材とした作品である。地方の名家に生れ厳格な父親に反感を抱きながら、合理主義に偏執して成長した秀才青年が、大金詐欺被害に遭ったことをきっかけに、自ら高金利の闇金融会社を設立する物語。順調に行くかと見えたカラクリが崩壊し、挫折していく孤独な青春の虚無の破滅譚が、シニカルかつレトリカルで切れ味のいいアフォリズムに溢れた文体で描かれている〔西尾幹二「解説」(文庫版『青の時代』)(新潮文庫、1971年。改版1990年)〕〔山中剛史「『青の時代』―事件に定着させた自らの青春」(『別冊太陽 三島由紀夫』)(平凡社、2010年)〕〔新潮社公式サイト「青の時代」【東大法学部生】超エリート青年が挑んだ破滅的遊戯。実在事件に着想を得た、シニカルな青春物語。 〕。 1950年(昭和25年)、文芸雑誌『新潮』7月号から12月号に連載され、同年12月25日に新潮社より単行本刊行された。文庫版は新潮文庫で刊行されている。翻訳版はスペイン(西訳:Los años verdes)をはじめ、で行われている。 == 題材・モデル == 『青の時代』の題材は、執筆前年の1949年(昭和24年)11月24日に起った「光クラブ事件」から取られており、主人公・川崎誠のモデルは、闇金融「光クラブ」の社長・山崎晃嗣である〔三島由紀夫「序」(『青の時代』)(新潮社、1950年)〕。戦後の世相を騒がせた「光クラブ事件」は、高金利金融会社「光クラブ」を経営していた東大法学部3年の山崎晃嗣が、物価統制令、銀行法違反に問われ、多額の債務を残したまま、27歳で青酸カリを飲んで自殺したというものである〔〔。 「アプレ青年」と呼ばれた山崎が起こしたこの事件は、戦後の価値の混乱を象徴するものであった〔。遺書には、「貸借法すべて青酸カリ自殺」という、人を食ったような辞世の句を残したが〔佐藤秀明『日本の作家100人 三島由紀夫』(勉誠出版、2006年)〕、『青の時代』では主人公が自殺するまでは描かれずに、暗示に留めたまま終わらせている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「青の時代 (小説)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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